売却・買取ガイドご相談

PROPERTY GUIDE / 土地・境界の確認

土地の境界が分からない。売却相談前に公図・測量図で確認すること

境界が未確認でも、売却相談は始められます。公図・測量図・過去の確認書と現地の状況を整理し、何が分かり、何が未確認なのかを分けましょう。必要な調査や測量、費用負担、引き渡し条件は個別に確認します。

境界標と図面を確認する場面を表した説明用イメージ画像。実際の取引物件や測量現場ではありません
境界標と図面を確認する場面を表した説明用イメージ画像。実際の取引物件や測量現場ではありません説明用イメージ画像

境界を確定してからでないと、相談できませんか

お客様

相続した家を売ろうと考えています。庭の端に杭があった気がするのですが、今は見当たりません。先に測量を頼まないと相談できませんか。

営業担当

今の段階でもご相談いただけます。こちらで、どの資料がお手元にあるか、境界について気になっていることを伺います。測量を依頼する前に、売却で何を確認する必要があるのか、希望する時期や引き渡し条件と合わせて整理しましょう。

この記事の会話は、相談準備を説明するために作成した例です。実際のお客様や取引の記録ではありません。

境界が分からないことと、売却の検討を始められないことは別です。ただし、相談できるからといって、境界の問題を残したまま希望どおりに契約・引き渡しできるとは限りません。資料の不足、隣地との認識の違い、杭が見つからないことなどを分けて伝えるのが出発点です。

公図・地積測量図・確認書は、同じ資料ではありません

「図面がある」ときは、まず書類の表題、対象の地番、作成・測量した日を見ます。地番は土地を登記上で区別する番号で、普段使う住所の番号と同じとは限りません。

公図と呼ばれる資料には注意が必要です。法務省は、不動産登記法第14条第1項の地図と、それが備え付けられるまでの地図に準ずる図面を区別しています。後者はいわゆる公図で、現地を復元できるほどの精度はないと説明しています。資料の種類を確かめず、印刷した線の長さだけから現地の位置を決めないようにしましょう。

地積測量図は、土地の面積やその計算方法、土地を区切る点と点の間の距離などを記録した図面です。現在の不動産登記規則第77条は、測量年月日なども記載事項としています。手元の古い図面については、実際に何が記録され、どの部分を示すのかを確認することが大切です。

境界確認書などの資料があれば、図面と一緒に残してください。名称だけで「すべて確認済み」とせず、対象の土地、確認した相手、線や点の範囲、添付図面を対応させます。

  • 地図・公図:対象の地番と隣接する土地との位置関係を調べる資料。地図の種類も確認する。
  • 地積測量図など:対象地、測量年月日、記載された点・距離・面積を確認する資料。
  • 確認書・過去の売買資料:誰と、どの範囲について、いつ確認したのかをたどる資料。

塀があるなら、そこが境界と考えてよいですか

お客様

隣の家との間には、昔から塀があります。スマートフォンの地図にも線が出ているので、それを境界として説明してよいでしょうか。

営業担当

塀や地図だけで、そこが境界だと言い切るのは避けましょう。こちらには「昔から塀がある」「地図ではこの位置に見える」と、確認できている事実としてお伝えください。お手元の図面や過去の確認書を拝見し、専門家への確認が必要な点も含めて整理します。

土地の「境界」という言葉には、登記の際に土地の区画を定めた線である「筆界」と、所有権が及ぶ範囲を示す「所有権界」という意味があります。両者は一致することが多いものの、異なる場合もあります。筆界は所有者同士の合意だけで動かせるものではありません。

塀やフェンスの位置、その所有者、土地の境界がどこにあるかは、同じ質問ではありません。塀・地図の線・登記上の境界を同じものと決めつけないことが大切です。航空写真や地図の画面も、場所の説明には使えても、表示だけで現地の境界を判断する根拠にはしないでください。

杭が見つからないときは、掘ったり動かしたりする前に

境界標とは、土地の境界の位置を示す目印です。コンクリート杭や金属鋲などが使われます。法務省は境界標の維持・管理の大切さを案内し、設置については土地家屋調査士への相談を勧めています。

手元の図面に杭の記載があっても、草や土に隠れているのか、工事などで失われたのかは、見ただけでは分からないことがあります。無理に掘り返したり、傾いた杭を自己判断で打ち直したりせず、まず見える状態を写真に残してください。

写真は目印の接写だけでなく、塀・道路・建物との位置関係が分かる引きの写真もあると説明しやすくなります。撮影日と場所を添え、見つからない場合は「探したが見つからない」と記録します。隣地へ無断で入るなどの確認は行わないでください。

解体や外構工事を予定しているなら、杭らしい物の位置と境界が未確認であることを、作業前に施工業者にも伝えましょう。見つかった物が境界標かどうかも含め、専門家に確かめます。

測量を依頼するなら、何を確認するかから見積もります

測量の見積もりを取るときは、「土地を売るので測ってほしい」だけでなく、既存資料、分からない箇所、売却の予定を伝えます。土地家屋調査士は、土地や建物の位置・形状・面積などを記録する「表示に関する登記」に必要な調査・測量などを担う専門家です。法務省の業務案内でも、地図・地積測量図、現況、隣接所有者の立会いなどを踏まえた筆界の確認が説明されています。

見積書では、現地の測量だけか、隣地との確認や境界標の設置、登記申請まで含むのかを確かめます。売却に必要な作業の範囲は、土地や取引条件によって異なります。隣接する道路などに関する確認が必要か、追加費用が生じる条件も尋ねてください。

売主と買主のどちらが何を負担するか、いつまでに何を整えるかも、契約条件として整理する項目です。調査の内容や相手方との確認状況で日程が変わることがあるため、費用・期間を一律に見込まず、作業範囲・費用負担・完了条件をそろえて確認することが大切です。

隣の方と認識が違うときは、先にその事情を共有します

隣地の所有者と線の位置について認識が違う場合は、話し合った時期、相手の説明、確認書の有無を整理します。合意できていないのに「確認済み」と説明したり、相手に署名を急いでもらったりせず、その状況を売却相談の段階でお知らせください。

筆界が不明な場合には、法務局の筆界特定制度などが検討対象になることがあります。これは登記された際の筆界を調査して明らかにする制度で、当事者の希望で新しい線を決めるものではありません。

東京法務局は、問題が所有権界に関する場合もあるとして、制度の利用は法務局・弁護士・土地家屋調査士などへ相談するよう案内しています。筆界特定だけですべての所有権の争いや売却条件が解決すると考えず、問題に応じた確認先を選びます。

最初の相談で伝えたいこと

詳しい図面が読めなくても、手元にある資料の名称と気になる点が分かれば、次の確認事項を整理できます。資料がない場合は、法務局での備付けや取得方法の確認から進めます。地図・図面証明書はオンラインで交付請求する方法もありますが、請求対象や必要な資料は先に確かめましょう。

  • 物件:所在地・分かる場合は地番、現在の利用状況。
  • 資料:公図、地積測量図、過去の確認書・売買契約書などの有無。
  • 現地:杭や塀の状況、写真の撮影日、工事の予定。
  • 関係者:隣地との確認履歴、認識が違う点、連絡が取れていない事情。
  • 希望:売却の時期、測量を依頼済みか、費用負担で相談したいこと。

相続や遠方の事情も、土地の状況と合わせて伺います

相続した家の売却なら、境界だけでなく、名義や関係者、残っている荷物も別々に整理します。「相続した家、荷物が残ったままでも売却相談できる?」もあわせてご覧ください。

遠方に住んでいる場合は、杭を探すためだけに訪問の予定を決めず、手元の資料と写真からご相談ください。現地対応の進め方は「遠方の空き家を売りたい。現地に行く前に整理できる売却相談の準備」で紹介しています。関連記事のリンクは末尾の参考情報にあります。

ブラザーホームは、東京23区・千葉・埼玉を中心に、土地や古い家の付いた土地も個別に買取を検討します。相談フォームに、物件の所在地と「境界について何が分からないか」を添えてください。こちらで状況とご希望を伺い、売却条件と追加確認が必要な点を整理します。買取可否や条件は調査のうえで判断し、境界の法律上の判断や測量は適切な専門家への確認が必要です。

本記事の制度・資料に関する確認日は2026年10月18日です。個々の土地の境界を判定するものではありません。